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~昼、悟飯のマンション~
プルルル…プルルル!(電話の音。
悟飯「はい! はいはいと」ガチャ(電話に出る。
小萌『あ、孫ちゃん、小萌先生ですよ』
悟飯「あ、おはようございます。小萌先生」
小萌『はいおはようございます。えと、今、大丈夫ですか?』
悟飯「あ、はい大丈夫です。何ですか?」
小萌『えとですね』
小萌『この前孫ちゃんが聞いてきた問題の答え』
小萌『それが分かりました。なので、教えたいと思います』
小萌『それで今から私、学校で補習を行いますので、そこで教えようと思いますから来てくれませんか?』
悟飯「え…?(汗」
悟飯(…まいったな。もうとっくに独学で分かっちゃったんだけど…)
小萌『……孫ちゃん?』
悟飯「え、えーと(どうしようかな?」
小萌『………』
小萌『……ごめんなさい』
悟飯「へ?」
小萌『こんな…時間がかかったら、頭の良い孫ちゃんは、自分で答えを導き出してしまいますよね』
小萌『先生は先生なのに、すぐに生徒に答えを…教えられない私は…ヒック』
小萌『子供ぽい見た目通りのダメダメ先生なのです…ヒック』
小萌『ヒッ…ヒッ…』
小萌『ゔえ゙え゙え゙!!!』
悟飯「あ! あー! そ、そんな事無いですよ!」
小萌『…え? …グス』
悟飯「あの問題の答えならまだやってませんから、今から聞きに行きますよ!」
悟飯「いや~助かるなぁ」
小萌『…ほ、本当ですか? …グスグス」
悟飯「本当です! 本当!」
小萌『…そ、そうですか、それなら良かったです! えへへ…」
小萌『それじゃ教室で待ってるのでよろしくなのです』
悟飯「あ、はい! 行かせてもらいます、じゃあ」ガチャ(電話を切る。
悟飯「ふう…まいったな小萌先生にも」
悟飯(まあでも、僕が聞きにいくだけで喜んでくれるから、いいか)
悟飯(さてと…ちょっとお腹が空いたかな…?)
悟飯(行く前に軽く食事してから行こうか)
悟飯(えーと、昨日のもやしの残りは…)ガチャ(冷蔵庫を開ける。
悟飯(あ、あれ? 何も入ってない…)
悟飯(あ! そうか、御坂って子に全部消し炭にされちゃってたんだっけ)
悟飯(しかし今、冷蔵庫に迷いもなく、もやしが入ってるって思ってたな、僕)
悟飯(生活習慣になるくらい、もやしばかり食べていたって事なんだろうな…)
悟飯(は、はは…ちょっと悲しいかも)
悟飯(…でも昨日は、久々に美味しい物が、沢山食べられたから良かったな)
悟飯(ちょっと苦手だけど、あの御坂って女の子には感謝しないとね…)
グルルルルル(悟飯の腹の音。
悟飯(…とは言え、今は昨日の余韻よりも、目の前のご飯を何とかしないとな、はは)
悟飯(…確か、仙豆がまだ一粒残っていたから)
悟飯(今日はとりあえずそれでしのぐか…)
悟飯(仙豆はテーブルの上だったよな…)
テーブルがある部屋に行き、ふと窓を見つめる。
悟飯(…ん? 気づかなかったけど、今日は良い天気だな)
悟飯(どうりで部屋も暑いわけだ)
悟飯(精神と時の部屋の温度差に比べたら大した事ないし)
悟飯(お金も勿体ないからエアコンつけてなかったけど)
悟飯(体が楽な方に慣れちゃったせいか、エアコンに頼りたくなってきちゃったな…)
悟飯(うーん、やっぱりいつもベジータさんに言われてる通り)
悟飯(ちょっと身も心も、子供の時と比べたら鈍ちゃったかも知れないな)
悟飯(ま、まあ世の中が平和だからしょうがないよね、はは…)
悟飯(うん、しょうがない…)
悟飯(まあとりあえず、もうすぐ出るしエアコンもいいか)
悟飯(それとこれだけ快晴なら雨も降らなそうだし)
悟飯(布団でも干しておこう)
悟飯「よっと」布団を持つ。
ガラガラガラガラ(窓を開ける。
悟飯「さてと…ん?」
インデックス「………」
悟飯「あれ? 女の子が干されてる…?」
悟飯「じゃなくて! 大丈夫君!?」
インデックス「う…う…」
悟飯「どうしたの!? どこか体でも悪いの!?」
悟飯「とにかく中へ…!」ひょい(インデックスを抱き抱える。
インデックス「わ」
悟飯「とりあえずベッドに、って布団どかしちゃったんだ!」
悟飯「今布団敷き直すから待ってて!」
インデックス「あ、あのー」
悟飯「ん?」
インデックス「私は特に体を悪くしてる訳じゃないんだよ」
悟飯「え? そうなの?」
インデックス「うん、しいて悪いところがあるとすれば、お腹が空いてるところかな?」
悟飯「え? お腹が?」
インデックス「うん」
悟飯「な、なんだそっか、お腹が空いてるだけなんだ…良かった…」
インデックス「良くないんだよ! 私お腹減りすぎて死にそうなんだよ!」
悟飯「そっか、君はお腹が減ってるんだね」
悟飯「待ってて何か作ってくるから」
インデックス「本当!? 貴方は神はですか!?」パアッ(満面の笑み。
悟飯「はは、デンデじゃないけど、まあ待ってて今何か作ってくるから」
インデックス「デンデ?」
悟飯「あ…(汗」
インデックス「どうしたの?」
悟飯「そう言えば食材切らしてたんだ…」
インデックス「えええええ!?」
インデックス「そ、そんなのぬか喜びなんだよ! 酷いんだよ!」
悟飯「ご、ごめん」
インデックス「ごめんじゃすまないんだよ!?」
インデックス「ご飯ご飯ご飯ご飯ご飯ご飯!!!」バタバタ(駄々をこねる。
悟飯「ちょ、ちょっと落ち着いて…」
インデックス「ごーーーはーーーんん!!」バタバタ。
悟飯「まいったな…(汗」
悟飯「ん?」テーブルの上の仙豆を見る。
悟飯「あ…! そうだ!」ひょい(仙豆を掴む。
悟飯「これあげるよ」
インデックス「…?」
インデックス「豆…?」
悟飯「うん、食べてみて」ニコ。
インデックス「………」訝しげな目で見る。
インデックス「…はぁ」
インデックス「餓死寸前で行き倒れそうになってる人間に対して」
インデックス「例え豆1個しか出さなくても」
インデックス「これが今君に出来る精一杯の施しなんだよね…」
インデックス「だから、例え豆1個でも、ありがたく頂くかも」ヒョイ、パク(仙豆を食べる。
悟飯「は、はは…(汗」
インデックス「コリコリ…ゴクン」
インデックス「…!」
インデックス「あ…あれ?」
悟飯「はは、どうお腹一杯になった?」
インデックス「す、凄いんだよ! こんなちっちゃいお豆なのに、どうして!?」
インデックス「何か疲れも取れてるような気がするかも」
インデックス「こんな不思議なお豆を持ってるなんて、やっぱり君は神ですか!?」
悟飯「ははは、違うよ」
悟飯「それにこれは僕のじゃなくて、元々知り合いのだしね」
インデックス「神の知り合いですか!?」
悟飯「あはは、 も、もうどっちでもいいよ」
インデックス「まあ冗談はさておきかも」
インデックス「質問なんだよ!」
悟飯「え? 何」
インデックス「何で君は、女の子、それもシスターがベランダに引っ掛かっていると言う」
インデックス「とっても非常識な状態なのに、何も聞かず疑いもせず助けようと思ったのかな?」
悟飯「ひ、非常識って…自分で言う?」
インデックス「おかげで、な、何でこんなところに可愛い女の子がって」
インデックス「驚いた時にしようと思ってた返しが台無しなんだよ!」
悟飯「そ、そんな事言われても…」
インデックス「むぅ…!」ジロ。
悟飯「えと…返しとか何とかはよくわからないけど」
悟飯「ま、まあ助けたのは性分としか言いようが無いかな?」
インデックス「性分…?」
悟飯「うん、僕は昔から困ってる人を見ると見過ごせない性格なんだ」
インデックス「ふぅん…」ジー。
悟飯「は、はは…」
インデックス「んー…」
インデックス「うん! わかった! 君は良い人何だね! 助けてくれてありがとう!」ペコ
悟飯「い、良い人…?」
インデックス「そう良い人! 私は人を見る目があるんだよ!」
インデックス「だから君…えーと…」
悟飯「あ、僕は悟飯、孫悟飯」
インデックス「ごはん…? 何か食べ物みたいな名前だね」
悟飯「は、はは、よく言われるよ」
インデックス「うん! だからね、私にご飯をくれるごはんはそれだけで良い人なんだよ!」
悟飯「は、はは…結局そこなんだ」
悟飯「それで君は何て言うんだい?」
インデックス「ん? 何が?」
悟飯「名前だよ、はは」
インデックス「あー…そうだね! 自己紹介しないとね!」
インデックス「私の名前はインデックスって言うんだよ!」
悟飯「へーインデックスって言うんだ。よろしくねインデックス!」
インデックス「…んぅ?」
悟飯「ど、どうしたの?」
インデックス「え? うん」
インデックス「私の名前って普通の人からしたら、目次って意味だから」
インデックス「変に感じるかなって思ったんだけど」
インデックス「ごはんは普通だから、ちょっと気後れしちゃった」
悟飯「はは、人の名前を変な風に思ったりしないよ」
悟飯「それに僕だって、ご飯って名前だしね。はは」
インデックス「そっか、そうだよね! ごはんって私と同じで変な名前だね。あはは」
悟飯「そうだよ変変、はは」
インデックス「あはは…ふう、それでねインデックスって名前なんだけど」
インデックス「実はね目次の他にもう一つ意味があるんだよ?」
悟飯「え? もう一つ?」
インデックス「うん、禁書目録って意味」
悟飯「禁書目録…?」
悟飯「禁書目録って持ち出し禁止の本とかの事?」
インデックス「そう持ち出し禁止の本」
悟飯「へー…それはさすがに変わった意味の名前だね」
悟飯「ところで今更なんだけど」
インデックス「ん?」
悟飯「何で君は僕の部屋のベランダに引っ掛かってたの?」
インデックス「んーそれは追われてたから」
悟飯「お、追われてたって誰に!?」
インデックス「魔術結社」
悟飯「魔術結社? 魔術ってあの空想の?」
インデックス「魔術、魔法は本当にあるよ」
悟飯「え? そ、そう…」
悟飯(気とか超能力は見たことあるけど、魔法ないなぁ…)
インデックス「うん魔法の力は本当にある」
インデックス「それでね、敵は私の持ってる禁書目録を狙ってるの」
悟飯「へ、へー… 禁書目録ってさっきの?」
インデックス「そう! 私が持ってる十万三千冊の魔導書をね」
悟飯「ま、魔導書~?」
悟飯(僕も普通の人とは違うから、自分で言うのもなんだけど、変な事いう子だなぁ)
悟飯(それに十万三千冊なんてどこに持っているって言うんだろ?)
インデックス「あ! ごはん信じてないかも!」
悟飯「そ、そんな事ないよ」
インデックス「ホントかなぁ…?」
悟飯「ほ、ほんとほんと、はは」
悟飯「そ、それより追われてるって言ってたけど、大丈夫なの?」
インデックス「うん、私は平気」
インデックス「なんたって私の着ている服には、歩く教会って呼ばれてる、強力な防御結界がはってあるからね」
悟飯「歩く教会~?」
インデックス「ごはんまた信じてない!」
インデックス「いいよ! じゃあ証拠を見せてあげる!」ドタドタ(キッチンに向かう。
悟飯「?」
インデックス「………」ドタドタ(包丁を持ってくる。
悟飯「いい!? な、何してるの! 危ないよ!」
インデックス「これで私を刺して見て! それで無傷だったら私の話を信じてくれるでしょ!」
悟飯「そ、そんな事出来ないよ!」
インデックス「何で!」ブンブン(包丁を振り回す。
悟飯「ちょ、ちょっと危ないから! とにかく落ち着いて!」
インデックス「やだ! 信じてくれるまでやめない!」ブンブン。
悟飯「わかった! 信じるから!」
インデックス「嘘! ちゃんと歩く教会の凄さを見てくれなきゃ信じないんだよ!」ブンブン。
悟飯(しょ、しょうがないな…)
悟飯「わ、わかったよ」
悟飯「でも例え君の話が本当でも、女の子を刺すなんて出来ないよ!)
インデックス「じゃあどうするの!?」
悟飯「い、今から、ぼ、僕が君の服を引っ張るから」
悟飯「破らなかったら信用するよ!」
悟飯「そ、それでいいだろ!?」
インデックス「うーん…イマイチなような気もするけど」
インデックス「まあ…それで信じてくれるなら、良いんだよ」
悟飯「あ、ありがとう」
インデックス「はい」ズイ(悟飯に近寄る。
悟飯「う、うん」ぐっ(インデックスの服を掴む。
悟飯(何か妙な事になっちゃったけど、これで落ち着いてくれるなら良いか…)
悟飯(でも女の子だから、本当に引き裂く訳にもいかないから、手加減しないと…)
悟飯「…(そ~っと」グッ(服を左右に引っ張る。
インデックス「もっとおもいっきり引っ張るんだよ!」
悟飯「え? あ、う、うん」グッ。
悟飯「ん?」
悟飯(あれ? 本当に結構頑丈だな…)
悟飯「くぬぬぬ…」ぐぐぐ…!
インデックス「ふふん♪」
悟飯「ぐぎぎぎぎ…」ぐぐぐぐぐ…!
インデックス「どう? これで歩く教会は本当だって…」
悟飯「ぐががががーー!!」ぐぐぐぐぐぐ…!!!
ピリッ───。
インデックス「え? え? え?」
インデックス「ちょっと待って───」
悟飯「ぐがぁーーー!!!」
ビリビリビリィーーー!!
インデックス「ひゃ……///」
悟飯「やった! 破けた! 破けたよインデックス!」
悟飯「あ…///」
インデックス「…///」
悟飯「ご! ごめんなさい!!」あたふた。
インデックス「ごはんの…」
インデックス「バカーーー!!!」ガブ!!
悟飯「あーーーーー!!!」
…。
……。
………。
インデックス「ごはんはとんでもない変態さんかも!」プンプン。
悟飯「ご、ごめん! 本当に硬かったから、ちょっと夢中になっちゃっただけなんだ」
インデックス「んん!?」
悟飯「…ごめんなさい」
悟飯「ところでその服そんな安全ピンで止めてるだけでいいの?」
インデックス「うん、とりあえずはこれでいいかも」
悟飯「そう…あ!」
インデックス「ん?」
悟飯「僕、これから学校に行かなきゃ行けなかったんだ」
悟飯「インデックスはどうする? ここにいる?」
インデックス「ううん出てく」
悟飯「え? そ、そう」
インデックス「うん、連中…」
悟飯「インデックス…?」
インデックス「ううん、何でもない!」
悟飯「?」
インデックス「それじゃ私教会に行かないと、だから」
悟飯「そっかまた遊びに来なよ」ニコ。
インデックス「うん! またお豆食べに来る!」
悟飯「はは、今度はもっとちゃんとした物を用意しておくよ」
インデックス「本当! それは楽しみかも!」
悟飯「はは」
インデックス「………」
インデックス「それじゃあね、ごはん、またねー!」タタタ。
悟飯「うんまたね! インデックス!」
インデックス「………」フリフリ(手をふる。
悟飯「はは、面白い子だったな…」部屋に戻る。
悟飯「ん?」
悟飯「あれ、あの子ベールを忘れてっちゃってるよ」
悟飯「しょうがないなぁ」
悟飯「まあ今度来た時にでも渡そうか、はは」
インデックス「………」タタタ。
インデックス「……」タタ。
インデックス「…」…タ。
インデックス「…」
インデックス「あんな良い人を巻き込めないよね…」
インデックス「さよなら、ごはん…」
続く